食品工場の異物混入は他人事じゃない!?あなたが犯人になるかも!?報道されない場合もある!
今回は食品工場の異物混入についての記事です。
実は近年話題になっている異物混入は、生産者だけじゃなく購入者が原因の場合もあります。
そんな異物混入について元従業員の視点で語っていきます。
異物混入は実はあなたが原因の場合もあります
食品工場での異物の種類は大きく3つに分けることができます。
それは、原料由来のもの、工場由来のもの、そして消費者(購入者)由来のものです。
原料由来の異物について
まず原料由来の異物について説明します。
魚を例に挙げると、魚についている寄生虫や魚を獲ったときの漁網片など、工場に入ってくる前に付着した異物のことを指しています。
食品工場ではこういった、原料由来の異物を排除していく工程が必ず存在するため、原料由来の異物混入の割合は少ないです。
ただし、原料由来の異物の種類は想像の斜め上をいく場合があります。
特に水産加工物でその傾向は強く、僕は過去に釣り針やたばこの吸い殻の異物を見たことがあります。
消費者(購入者)由来の異物混入について
食品メーカーの問い合わせ窓口にはクレームがくることがあります。
このイラストのように電話先で異物混入だと激怒される方もいます。
自分が食べようとしている物に異物が毛髪や虫などの異物が入っていたら、僕も不快に思いますし、このイラストのように激怒する気持ちもわかります。
しかしこのようなクレームの半分くらいは、購入者が原因だったりします。
それがニュースでは取り上げられることのない異物混入のパターンになります。
具体的には、商品を食べようとした消費者の毛髪が混入する場合や、食べかけの商品に虫が混入してしまったなどのパターンが多いです。
それを消費者(購入者)由来の異物混入と呼びます。
ただ見た目は同じ毛髪や虫で、どうやって工場由来か消費者由来かわかるの?という疑問を持つ方もいるかもしれません。
この見分け方には方法があります。
DNA検査とかはしませんよ笑
その方法はカタラーゼ試験と呼ばれる方法です。
カタラーゼ試験を簡単に説明すると、虫や髪の毛が加熱されて変質しているかどうかを確認できるというものです。
食品工場の製品は殺菌など、加熱工程が加わっていることが多いので、このような方法で調べることができます。
この試験は基本的に専門の業者に依頼することになるので、そこでの結果により、世間で騒がれるような異物混入問題になるのか、消費者が原因の異物混入だったかを判断できます。
これによりニュースで報道されるのかが決まります。
食品工場の品質管理を担当している人達は、試験の検査結果待ちのときに、消費者由来の異物であってくれと祈っていますね笑
よくあるパターンでは、クレーム対応窓口への問い合わせで、激怒しながら異物混入を訴えてきた人の異物を調査すると、実はその人の毛髪だったりしますね笑
工場由来の異物について
世間が騒ぐ異物混入で最も多いのが、工場由来での異物混入です。
工場由来の異物で多いのが、昆虫、樹脂片、毛髪などです。
特に、昆虫が紛れ込んでしまった場合は商品のイメージを著しく悪化させ、場合によっては製造元を倒産へ追い込む場合もあります。
これを読んでいるあなたは、虫が混入するなんてあり得ない、というような感情を抱いているかもしれません。
ほぼ全ての食品工場では入念に防虫対策を行っています。
しかし広い面積の工場で、全区画で虫を一匹も侵入させないのは、不可能だと僕は思っています。
おそらく今後もニュースなどで報道され続けるでしょう。
工場由来の毛髪混入について
次に工場由来の毛髪混入についてですが、これはあなたが想像しているように、作業者から落下した物である場合がほとんどです。
食品工場では毛髪防止対策として、入場前から入念な毛髪対策を行います。
まず、更衣室で作業着の中に着る私服と作業着に入念にコロコロローラをかけます。
このローラーはカーペットなどを掃除するときに使用する、粘着シールがついた物を想像してもらうと分かりやすいと思います。
その後、工場入口へと向かい、そこで再度ローラーをかけていきます。
食品工場によっては粘着シートを眉毛に軽く付着させて、眉毛の抜け毛まで防ぐように徹底している場所もありますね笑
最後にエアシャワールームという全方向から風が吹き付けてくる、部屋へ入り残った毛髪を吹き飛ばします。
ちょうどこのイラストのような部屋です。
このように食品工場では3重の毛髪防止対策を導入している場所が多いです。
ちなみに作業中も、定期的にローラーをかけなければいけない食品工場が多く、僕が務めていた工場では作業者にローラーかけることを仕事にしている人までいました笑
ここまでの対策をしても、やはり人間が作業している以上は毛髪が混入してしまうのです。
将来にAIなどが発達して、人間の従業員がいなくならない限りは、毛髪混入は無くならないと僕は思っています。